住宅アドバイザー菅原の住宅ブログ
2020/12/10
断熱性能を高める施工方法を紹介します!
投稿者:菅原 智弘
注文住宅でデザインなど目に見える部分も重要ですが、性能を高めることも重要です。
その中でも断熱に関して言えば、断熱材は施工方法など多くの種類があります。
そのため何を選べばいいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はその中でも断熱を実現する施工方法をご紹介します。
□断熱のための施工方法とは
断熱の方法としてよく耳にするのが断熱材です。
しかし、断熱材ももちろん大事ですが、施工方法も大切であることをご存じでしょうか。
どれだけ性能の良い断熱材を利用しても施工方法が適していないと断熱効果が下がります。
ここでは主な3つの施工方法を紹介します。
1つ目は充填(じゅうてん)断熱です。
この施工は柱と柱の間の空間に断熱材を充填する方法です。
周囲の壁はもちろん、天井や床にも断熱材を入れるので暖かさが保たれるでしょう。
2つ目は外張り断熱です。
充填断熱では柱と柱の間に断熱材を入れるのに対して、外張り断熱では、名前の通り柱の外側に断熱材を張る方法です。
外張り断熱では柱の外に断熱材を入れるので、柱で熱の出入りがないと言えるでしょう。
そのために、断熱性はとても高いと言えます。
3つ目は付加断熱です。
これは充填断熱と外張り断熱の両方を取り入れた方法です。
主な施工方法のいいとこどりをした方法と言えるでしょう。
断熱材を通常の量に付加するのでコストは高いです。
しかし、断熱性は最も高いと言っても過言ではないでしょう。
□各施工方法のメリットとデメリットとは
前説では主な施工方法を紹介しました。
ここでは充填断熱と外張り断熱のメリットを4つずつご紹介します。
*充填断熱のメリットとは
1つ目のメリットは、価格が安い点です。
充填断熱ではどんな断熱材でも利用できます。
そのため多くの場合、繊維系の断熱材を利用することが理由として挙げられるでしょう。
2つ目のメリットは熱のロスが少ない点です。
柱と柱の間に断熱材を入れるので壁の内側で断熱をしていると言えます。
そのため、断熱をする面積が少なくなり、熱の無駄がないと言えるでしょう。
3つ目のメリットは屋根の形とは関係なく施工できる点です。
柱に沿って断熱材を入れるため、屋根の形に左右されません。
そのため、工事も楽であると言えるでしょう。
4つ目のメリットは多く業者で利用できる点です。
業者よっては取り入れていない施工方法がある場合があります。
しかし、充填断熱はほぼすべての業者で利用できる方法なので、依頼できる業者の幅が広がると言えるでしょう。
*外張り断熱のメリットとは
1つ目のメリットは、床下や屋根裏部屋が利用できる点です。
充填断熱では直方体の形に添って断熱材を入れるので、直方体に収まらない部分に部屋を設置するのが難しいと言えるでしょう。
一方で外張り断熱では家全体の形に添って断熱材を入れるので、床下や屋根裏部屋も設置できます。
2つ目のメリットは建物の柱などが腐食しにくい点です。
断熱材は熱を保持するため、冬場は結露が発生しやすいでしょう。
外張り断熱では構造の骨組みの部分で結露の防止が可能です。
そのため、構造体が傷みにくいと言えるでしょう。
3つ目のメリットは湿度管理の工事が簡単にできる点です。
防湿や気密工事が簡単にできるため、工事のコストを最小限にできるでしょう。
4つ目のメリットは壁の工事がしやすい点です。
配管や配線の工事も簡単にできるため、この点でも工事のコストをできるだけ抑えられると言えるでしょう。
□高断熱の住宅で気を付けることとは
高断熱、高気密を実現できても、すべてが良いというわけではありません。
高断熱を兼ね備えた家だからこそ気を付けるポイントを紹介します。
高断熱を兼ね備えた家だからこそ気を付けるポイントは、換気が重要である点です。
適切な施工方法で断熱性能が上昇すると、気密性も高まりやすいでしょう。
隙間をなくして気密性を高めることで、断熱性を症状させているからです。
高断熱かつ高気密の住宅は、室内に熱がとどまりやすいのと同時に、身体に悪影響を及ぼす化学物質も室内にとどまりやすいと言えるでしょう。
特に密閉された部屋で起こる症状としてシックハウス症候群というものを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、常に部屋が密閉されていると結露が発生し、カビにつながります。
シックハウス症候群やカビの防止のためにも換気はこまめに行いましょう。
さらに石油ストーブを利用する方は特に注意が必要です。
石油ストーブは、水分と二酸化炭素を空気中に放出する性質があります。
高断熱かつ高気密の住宅では、有毒なガスが部屋に充満しやすいため特に換気を意識的に行いましょう。
□まとめ
今回は住宅の断熱についてご紹介しました。
住宅に適した施工方法と断熱材を選ぶことが重要です。
また、高断熱の住宅にする場合は換気をこまめに行うようにしましょう。
注文住宅で高い断熱性能を実現したい方の参考になれば幸いです。